- 2010/08/23 10:38
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8月18日付現代美術コースのレコメンを覗いて目を疑った。うわ牛心隊長だ! 悪夢のトラウト・マスク・レプリカ! まるでミロスラフ・ティシーの空き缶カメラのような音楽だ。yD先生の愛に満ちた悪意によって、本当はゲームの最後に皆をギョヘーと卒倒させる切り札が、なんと最初にリコメンドされてしまった。キックオフのひとけりがそのままオウンゴールとなり、球を顔面に受けた味方キーパーはその場で失神した、みたいな感じだ。おかげで次に出す札が全部トラウト・マスクに笑われているような気がする。もうABBAでも聞いて踊るか?
しかし所詮英国は島国だ。ドーバー海峡を超えれば牛の国フランスであり、ユーラシア大陸である。大陸には「牛は眠れない」と歌っている音楽がある。ブリジット・フォンテーヌのセカンド・アルバム「ラジオのように」は1968年、5月革命でぐらぐらと揺れるパリで実現した奇跡のミュージカル・コラボレーションだ。おしゃれなフレンチ・シャンソンと思って近づくとやけどをする。筋金入りののワールド・ミュージックといってもいいだろう。前衛演劇から来たフォンテーヌと彼女の夫でアルジェリア人のアレスキ・ベルカセムの感性が、アート・アンサンブル・オブ・シカゴのサウンドとスパークしあって、脱線ぎりぎりの狂気と熟練された演奏が見事に統合され、凛とした空気が全編を貫いている。黒人奴隷をルーツとするシカゴのアフリカン・アメリカンの音楽(フリージャズ)、フランスの植民地であった北アフリカの音楽が「寒い、寒い」とよろめくヨーロッパの感性を支えている。シャンソンやジャズといったジャンルを軽々と飛び越えたこのアルバムは、同時にまたポエトリー・リーディングの傑作ともいえるだろう。僕らはジル・スコット=ヘロンやパティ・スミスという成功例を知っているが、この作品ほど異文化がお互いを自分の分身としてミックスしあった親密さを感じさせる作品は多くない。
残念ながら、今のフランスからこういう音楽が出てくるとはちょっと考えられません(極右政党国民戦線党首ル・ペンが靖国神社にお参りする時代です)。(O)
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京都造形芸術大学 芸術学部 美術工芸学科































